▲斜め棒銀 対 △四間飛車【実戦】2

24で指した一局から。
斜め棒銀だが、序盤で色々あって
後手の私は△9五歩と突き越し、
居飛車は▲1六歩と▲6八金が入っている。
▲6八金型斜め棒銀振り飛車良かったような、
いやそれは△1二香が入っている形だっけ?
と思うとともに
そもそも何故振り飛車良しなんだっけ?
と混乱しながら図の局面。
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▲6九金型と同じように△4五歩と指す。
以下進んでこの局面でアレ?と違和感を感じ始める。
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飛車を合わせられるような変化を避けるべく、
△4六歩▲同銀を入れて△4九飛。
相手は当然▲4一飛。
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△7九銀と打つつもりだったが、
手抜いて▲5二馬が早くない!?と違和感の正体にやっと気づく。
そこで急遽方針転換して△6二金寄。
▲6九銀などと埋められたらマズイと思っていたが、
▲3五馬と攻めてきた。
もちろん厳しい手には違いないので長考し、
根性で△1四角打という手をひねり出す。
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次に▲2一飛成だったので、△5八角成と切って
▲同金△6九銀▲6八玉△5八銀成と攻め続け、
▲同玉△4七金▲6八玉△8九飛成以下、
入玉に気を付けつつなんとか押し切って勝ち。

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渡辺二冠の四間飛車破り【急戦編】を読むと
△1二香型で▲4一飛までの局面が掲載されており、
先手良しと結論付けられていた。
やっぱり私の勉強不足でした。

△1二香型における第1図の類似局面はA図。
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ここでは△4五歩ではなく
(1)△3六歩や(2)△3七歩が良いとのこと。

(1)△3六歩に▲同飛のタイミングで
△4五歩として▲3三角成△同飛。
ここで▲8八角だと△4六歩▲3三角成に
△4五銀(B図)が生じる。
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以下、▲3五飛△3七桂▲同飛成△5四銀の有名な順で
△5五角と△4七歩成を狙って後手良し。
(といっても同様の局面から負けたことが何度もありますが)
なので▲8八角の代わりに▲5七銀引とし、
△3五歩▲3九飛と続く。
この後の変化で△1二香型が活きる。
ただ私の実戦は△1一香型なので先手も十分か。

(2)△3七歩に▲同飛も△4五歩▲3三角成△同飛。
ここでも▲8八角には△3六歩(C図)。
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これは先手ダメ。
なので角打ちではなくやっぱり▲5七銀引。
今度は飛車が3七にいるので△2八角
▲1一角なら△3七角成▲同銀に△3九飛が厳しい(D図)。
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ここで(a)▲1八角には△3六歩、
(b)▲2二歩には自然に桂香を取りつつ飛銀を逃がせば良し。

ただし、(2)△3七歩は▲同銀引の変化が生じるため、
二冠は(1)△3六歩を勧めていた。

これらは△1二香型を生かして
振り飛車良しとなる変化のようで、
本譜のような△1一香型だと難しいかもしれない。

四間飛車居飛車急戦の定跡は難しいが美しい。

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なお、局後検討すると実戦での△1四角はBonanza先生も推していました。
弱い私もたまに良い手を指すことがあるのかと感激。
ただ、Bonanzaは第3図の▲4一飛の局面でも
△1四角を読んでいて、これで後手良しとのこと。
たしかに私の対局の△6二金と▲3五馬の交換は、
振り飛車にとっては不要だったかも。
それにしても第3図で△1四角が成立すると、
第1図で9筋を突き合った類型の斜め棒銀でも
△4五歩で良いということなのでしょうか。うーん。

↑これには後日譚がありました。