旅立とう 明日は無いぞってな具合に

Mr.Children『DISCOVERY』

DISCOVERY

DISCOVERY


ミスチルが活動休業から復帰後に出したアルバム。
当時は「休業前の方が良かった」
という話を良く聞いたのですが(自分の周りだけ?)、
私はこのアルバムが最も気に入っています。
本当の意味で自然体なように感じます。

――――――――――――――――――――――
#2『光の射す方へ』
『僕らは夢見るあまり彷徨って』
本当にそのとおり。
俺だって夏休みのある小学校時代に帰りたい。

散らかってる点を拾い集めて 真っ直ぐな線で結ぶ
闇を裂いて海を泳ぎ渡って 風となり大地を這う
限りあるまたとない永遠を渡って
最短距離で駆け抜けるよ 光の射す方へ

油断しているとこういうことをさらっと歌われてしまう。

#7『I'll be』
本作の芯となる一曲。
シングルバージョンもあり、
どちらも何度聴いても飽きません。

ミスチルの曲を聴くと、
「ああこの頃はこんな雰囲気だったよねぇ」
と思うことがよくあります。
うまく説明できないのだけれど。
(自分がミスチルを聴いて育ってきたせいかもしれない)

この曲は、というかこのアルバムは正にそんな感じ。
シングルver.のPVもそんな感じ。

生きてる証を時代に打ち付けろ
貧弱な魂で悪あがきしながら
何度ヘマしたっていいさ
起死回生で毎日がレボリューション
人生はフリースタイル
孤独でも忍耐
笑いたがる人にはキスを

とてもいい曲なんですよねぇ。

#8『#2601』

愛とは何と問えば 歌の中にあると答えよう
言うなれば僕ら愛の伝道師

夢は叶うよなんて軽はずみで口にしないが
言っちゃうぞ君は夢の救世主

ふざけながらも味のある歌詞が好き。

#11『終わりなき旅』
応援歌みたいな扱いですが、
それにはちょっと違和感を感じます。
休業前と比べると歌い方や声がやさぐれていて、
どこか疲れている印象。
歌詞も、自分自身を自嘲気味に語りつつ、
なんとか歩き出そうぜってことを
やけくそ半分で無理矢理絞り出している気がします。
でも、そんな中にプライドと自信が垣間見えて、
とても格好良いんです。

――――――――――――――――――――――
深海に潜って、休業もして、
彼らは何かを見つけたのか。
このアルバムを聴く限りでは、
やっぱりミスチルは迷って悩んでいる。
『DISCOVERY』なんてタイトルも、
自分自身に言い聞かせているかのよう。

悩んだり、答えを見つけた気になったり、
やっぱり見つかってなくて迷ったり...
そんな姿が飾ることなく表現されているからか、
彼らの作品の中で一番身近に感じられる気がして、
とても大好きな一枚です。